愛しい日々 奏でる日々 hitomitk.exblog.jp

ピアノを弾き、歌っています。


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カテゴリ:東の森便り( 65 )

朝食を済ませて、作業に出ようと思ったら、
「これ、履きなさいよ。作業用。どんなによごれてもいいから。」
と、母は古いチノパンを出してきた。
茶色いよごれを見て、何年も前バルコニーの腐食止めを塗ったのを思い出した。
ありがと・・、素直に履く。
作業パンツにTシャツ、上からケガをしないように長袖のヤッケ。
ゴム長靴、軍手、髪を結び、首にタオルを引っかけて外へ。

玄関を出ると、綺麗に咲いていた花も可哀相にくたーっとなっている。
さぁて、どこから手をつけるべきか・・・。
落ちてる枝を拾って、と母は言っていたが、
えーっと、どこがどうなってるんだ?
ぱっと見ただけじゃ、庭の緑に紛れてどれが枝なんだか分からない。
たいした量じゃないのかな?
が、よく見るとすべての地面が枝、枝、枝・・・・・。
折れた枝を敷き詰めるように、重なって落ちている。
こんなに折れてしまったのか・・。

葉っぱなら、熊手で履くこともできるが、
折れた枝は大きく重いので、一つ一つ拾っていく。
大きいものは3〜5メートルくらい。生木は重い。ズルズルと引っ張って行く。
こんなのが屋根に落ちてたら、そりゃ家も揺れるよな、、。

母の大事な植物は傷つけないようにしなければ・・。
川底を水中メガネで見るように、地面を見て作業をしていると
いろんなものが落ちている。
綺麗な赤い実を発見!まだまだ若い緑のどんぐりも落ちている。
思わず写真なんか撮ってしまう。↓
c0097806_14415390.jpg

赤い実は「コブシ」の実だった。これこれ…、遊んでないで作業作業。

山の陽射しは強い。気温も上がって滝のような汗。

斜め向いのお家の住人は、70代後半のご夫婦。ご主人は陶芸家。
バルコニーの屋根に大木が倒れてきて、屋根はぐしゃっと壊れている。
その木が屋根から突きだして、茂った大きな枝は垂れ下がり、
アトリエ前(アトリエは無事だった)に停めてある車が出せない、とのこと。
「ねぇ、あの枝切ってあげて。」と母。
はい。私はノコギリ片手に伺い、高いところの枝を何本か切る。
何とか車が出られるようになった。よかった。
「若い人はいいわねぇ、、」と奥さま。あんまり若くないけど(笑)。
しかし気をつけないと危ない作業だった。枯れた木とは違う生木の力を感じる。

森も少し見回ってみた。たしかにひどい。
大きな木は倒れて道を塞ぎ、車や家を直撃している木もある。
やはり崖崩れが起きていた。覗き込むと下の沢は見えぬほど深い。怖い。
その付近は地盤が緩んでいるから、あまり近づいてはいけない。
切れた電線は垂れ下がり、倒れた木の枝下にへびのように隠れている。危ない。
こんな状況で、停電は何時なおるんだろうか・・・。

庭に戻って片付けていると「ミョウガ」ができているのを発見。
そろそろお昼ごはんにしましょうか、と声がかかる。
ミョウガをとって家の中へ。
午前の部、終了!小休止。

(さらに続く・・)
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by hitomi_tk | 2007-09-15 14:08 | 東の森便り | Comments(0)
夜が明けて、目覚める。無事だ・・。
階下では、母が起き出している。

うーん、どうなっているのか。
着替えて下へ。あれ?母はいない・・、どこ行ったんだろう。

窓の外、雨はあがっていて、森の木々の向こうに二人ほどの人影。
みんな外へ出て森を点検してる?
玄関扉を開けて母の姿を探す。なんか道がぐちゃぐちゃだ。
目に映る世界はアンバランス。
雨もあがり空も明るくて、目の前の風景とその明るさが変な感じなのだ。
何だかピンとこない。。

その時、管理人さんが「おーい、大丈夫かー!」と近づいてくる。
「もう山はめちゃくちゃだよ、、」とすごくショックそう。
え?そんなにひどいの・・?
「お母さんは?」
「さっきまでいたんですけど、下におりてみたら居ないんですよ」
「えっ?!」と管理人さん。

その時、道の向こうから母が帰ってきた。森の様子を見に行っていたらしい。
「あちこち電線がむき出しになってる、歩き回ったら危ない」と管理人さん。

・・・森はめちゃくちゃ。
全体があまりに荒れていて分からなかったけど、大木がいっぱい倒れている。
ふと窓の外を見れば、お隣りの敷地の赤松が倒れている。
車を止めてたら、ぺちゃんこだ。。

我が家の玄関先にも、お向かいの敷地の木が倒れてきているが
電線に引っ掛かって、かろうじて留まっている。
もし電線が切れてたら、屋根を直撃。助かった・・。
でも早く取り除いてもらわないと危ない。
管理人のおじさんも「これからやってもらわんとな・・」と一言。

まずは、朝ごはんを食べよう。
あ、停電は?なおってるわけないよな・・。やっぱり・・。
紅茶をいれて、トマトを切って、蒸かしてあったジャガイモとベーコンを焼く。
トースターが使えないので、パンはフライパンにオリーブオイルとバターを
うっすらひいて焼く。こんがり焼けて美味しい。
こんなに無事に美味しく朝ごはんが食べられて、本当に幸せなことだ。

しかし、あの時はそんな実感もないままに、ただ茫然として
これからの暮らしのことなど考えながら食べていたように思う。

食べながら、食卓の窓の外、いつもある場所に木の枝がないのに気付く。
さぁて、作業だな・・。

(まだまだ続く・・)
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by hitomi_tk | 2007-09-14 21:48 | 東の森便り | Comments(0)

東の森で <嵐の夜>

ロフトへあがった私はお布団に入った、が・・、
屋根はすぐそこ。
いろんな物が落ちてくる。
今までは「どんぐり」がコン…、と落ちるくらいだったが、
今夜は何か違う・・。
ドーンという音とともに家が揺れる。ロフトの床の揺れは、なかなかのもの。
かなり重く大きなものが落ちていることは間違いない。
ちょっと怖いかも・・。大丈夫なんだろうか・・。

すぐには眠れず、懐中電灯をつけて携帯でメールなんか書いてみる。
ただでも電波が届きにくいのに、今夜は雨戸を閉めているからますますダメ。
そーっと下りて行き、玄関の扉に近づけて何とか送信。

暫くして、疲れて懐中電灯を消す。
まっっっくら・・・・。。目が慣れてないからかなぁ…、と
自分の手を目の前にかざして、じーーーっと見てみるが、
いつになっても見えない。まったくの暗闇。
家の外も家の中も、漆黒の闇。

闇の中で音だけが響く。全神経が音だけに集中する。よけい大きく聞こえる。
嵐の森の音。
バラバラバラバラ・・・・ざぁーーーーざわざわざわざわ・・・
雨の音と、風が木を揺らす激しい音だ。
しかしもっと凄いのは、その奥にずっと聞こえてる、
ごおぉーーーーーーーー、という地響きのような音。

その時私は考えていた。多重録音したらいい感じだなぁ、これは♪
うん。この絶え間なく鳴っている「ごおぉーーーーー」という音の上に
ざわめく木々の音、雨のあたる様々な音でしょ・・
それから、えっとえっと・・・。
うーん、これから先「嵐の森の音を作って」とかいう依頼なんか来たら、
きっとうまくできるな〜〜。

バカかな、私は。
そんなことを考えながら、いつの間にか眠ってしまった。
家の周りの大きな木が倒れてきませんように・・、と願いながら。
関西にいる人は、眠れぬほど心配してくれたというのに。
胃が痛くなるほど心配してくれたというのに・・・。
ただただ、感謝。

(まだ続く・・)
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by hitomi_tk | 2007-09-13 23:22 | 東の森便り | Comments(0)
朝目覚めると、5時10分。
ふーん、私でも早く寝ると早く目覚めるわけだ。
(これから早寝しよう、と思う私。)

昨夜からの雨が降り続いている。朝から薄暗い森の中。

台風はやはり北上しているらしい。今日は一日家の中だな・・。
小さな家の中、母とずーーっと話す。いろんないろんな話をする。
ふだんテレビを見ない私も、久々にテレビを見る。
森の中だけど、デジタルのアンテナ(?)をつけたらしく、
いろんなチャンネルが見られる。海外ドキュメント番組をたくさん見た。

午後、窓の外はさらに嵐の様相。
バケツをひっくり返したような雨が降り続いている。
20〜30メートルの高い木の枝が、風に煽られて直角にまで曲がっている。
「まだまだ、ひどくなるのかなぁ…」と私。
「こんなに降り続いたら、またどこかで崖崩れが起きるわね…」と母。

と、突然停電。たぶん午後2時ごろ。
すぐ復旧。しかし、またすぐ停電。二度目は長い。
薄暗い森の中での停電は、何ともいえない。
c0097806_2265159.jpg

ロウソクと懐中電灯を準備。ロウソクを2本灯す。(↑上の写真)
(外は明るく見えるが、実際はかなり暗い。
白く写っているところにも本当は木がある。一人でいたら鬱々とする暗さだ。)

そんな中、一瞬雨が弱くなった。
全然外を歩いてないし、この隙に!と一人傘をさしてちょっと散歩。(無謀…)
何十メートルか行ったら、また雨風が強まる。山の天気は急に変わる?
こりゃだめだー!と慌てて帰る。さすがに怖い、まるで映画の世界だ。
20秒ほどの間にGパンはびしょびしょ。。

着替えて、引き続きロウソク時間。
こういう時二人だと助かる。バカなことなんか言いながら過ごせるから。
どんどん暗くなっていく。
はぁ…、いつ復旧するんだろう。今度は長いなぁ。
このままだったら、ご飯も抜き〜?なんて言ってると、電気がつく!
やった、直ったじゃない!長い停電も終わり、ほっと一安心。
さっそく明るいキッチンで夕食を作り、台風情報を見ながら食べる。

が・・・、甘かった。
夕ご飯を済ませると、再び停電。

停電の森の中、それも雨降りの夜。まっくら・・・・・・・・・。
風と雨の音だけ。ろうそくを灯して、また話す。
停電…、もう今夜はなおらないよね。ぼちぼち寝る?
懐中電灯を片手に、順番に歯磨き。
お風呂、早くに入っておいて良かったね…。

ふと、水とガスって大丈夫だっけ?
こわごわ確かめる。ガスはプロパンだから大丈夫。
水も大丈夫。よかった。

母は一階の自分の寝室に。
「怖かったら、私の隣りにお布団敷いて寝ていいよ(笑)。」と母。
「大丈夫だよ〜(笑)。ま、あんまり怖かったらそうさせてもらうわ(笑)。」
と、私はロフトへあがる。
嵐の夜の始まりだ・・・。

(続く・・)
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by hitomi_tk | 2007-09-13 23:03 | 東の森便り | Comments(4)

東の森へ <第一日>

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5日の朝、出発。新幹線で東へ東へ、東京で乗り継ぎ、北へ。

遅めの夏休み・・と書いたけれど、
実は、山の森の中で一人過ごしている母のところへ。
この夏、忙しくて出かけられなかった。やっとご機嫌伺いに行ける(笑)。
JRから私鉄に乗り換えて小さな無人駅に着けば、雨が降り出している。
母は傘をさして駅のホームまで迎えにきてくれていた。
(無人駅なので、出入り自由なんだな(笑))

雨だからタクシーに乗ろう、と母。
たった一台のおじいちゃんタクシー(いつもお世話になっているらしい)に乗って
小さな小さな家に着けば、そこは森の中。
まずは、しょぼしょぼと雨降る森を、窓から一枚パチリ!(↑上の写真)

だんだん降りが強くなってくる。暗くなってゆく森。
そして、しばらくして空が青くなってきた。木々の間から光が射し込む。
次の写真をパチリ!(下の一枚↓)
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さらに射し込む光が多くなる。
また一枚パチリ!(↓)
雨に濡れた木々の葉が、キラキラと光っているのが分かりますか?
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こうして、窓からぼーっと木々を眺める静かな雨の夕方を過ごし、
早めの夕食(私にしては)を母と二人済ませれば、眠い眠い・・・。
なんでかなぁ…。
標高が高いからじゃない?と母。えーっ、本当?

天気予報が、台風情報を伝えている。
こっち方面にくるみたい。これは明日もきっとずっと雨だな・・。
そして、やはり私にしては非常に早めの就寝。
まずは平和な第一日でした。
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by hitomi_tk | 2007-09-12 22:04 | 東の森便り | Comments(5)