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昨夏のレコーディング、今更<片付け帰宅編>

さて、昨年8月にレコーディングをした話。
覚えていらっしゃるでしょうか・・。

最近こちらを覗いてくださるようになった方には
何のことか分かりませんよね。申し訳ありません。
(よろしければ2007年8月のレコーディングの記事をご覧くださいませ。)

あの続きを書けないままなっていたので、
今更なのですが、半年の記憶を辿ってみましょう。

それでは始めますね・・。
耐久レースのような録音が済み、片付けて早くホールを出なくてはいけません。
レコーディング機材、すごい量のケーブル、どんどん片付けられていきます。
しかしE氏と私はよく分からず、下手に手を出すとゴチャゴチャになりそう。
「あ、いいですよ、出来ますから」と仰るエンジニアT氏のお言葉に甘えて
ごみ集めとか、自分たちの出来ることだけさせていただく。

そして、ピアノ。
ピアノが片付けられようとしていた。
ホールのスタッフの男性3人が柔らかい布でピアノを綺麗に磨きあげていく。
丁寧に丁寧に、優しく慈しむように。
いいなぁ、私もやりたい・・、私も。しかしそうもいかず、傍で見つめる。

見つめながら、何ともいえない気持ちに包まれる。
心の中でひたすらピアノにありがとうを言っていた。離れたくなかった。
たった一日、いや半日一緒にいただけ。私のピアノではない。
ピアノ庫へ帰って行くのは当たり前のこと。でも離れがたかった。
私にあらためてピアノというものを教えてくれたピアノ。
やさしく触れれば、応えて深く響いてくれるピアノ。
まるで、自分の指が耳が体が心が、ピアノと一つに溶けていくような錯覚。
そんな感覚をくれたピアノに、もう触れられない。
また逢える機会があるのかどうか・・。

やがてピアノにはカバーが掛けられる。どうにも寂しい。
そしてゴロゴロとホールの出口へ運ばれて行く。待って・・・、
もちろん声にはならない。そして・・、ピアノは見えなくなった。
昨夏のレコーディング、今更<片付け帰宅編>_c0097806_1915631.jpg

残されたのは、広い空間と、そして茫然と立ちつくす私。
ここだけの話だが・・・、泣いた。
すごーく我慢して、みんなに分からないように少しだけ。
なぜかな…、深い感謝の気持ちと離れる寂しさ。
今、思い出しても泣いてしまう。

書きながら、ふと思う・・。
えっと、こんなふうに男の人との別れを感じたことあったっけ???
女の子とはあったりするのになぁ、、。
は〜ぁ、それも寂しい話だ。。

ホールを後にして、E氏と駅へ向かう。
21時を回っている。何か食べなきゃね、と探すが飲食店はまったくない。
唯一開いてたスーパーマーケットに入るが、食べられそうなものは無し。。
結局、飲み物だけ(彼女はビール、私はお茶)を買い、
誰もいない駅のホームで電車を待ちながら
「お疲れさまでしたー、はーー、とりあえず無事録れてよかったー」
と二人、乾杯をしたのでした。

(もう少し続く・・)
Commented by omuyan at 2008-02-25 12:32 x
絶好のプロモーションになっているかも??

E家は代々 お強いとか?
特に女系が・・・
Commented by hitomi_tk at 2008-02-25 18:19
CD売れるといいんですがね、彼女喜びますもの。

omuyanさん、E家は女系が強い・・
お心あたりがお有りですか・・(笑)。
Commented by omuyan at 2008-02-26 12:38 x
はい(^^ゞ
身につまされる日々 飲まされる日々 (?)
Commented by hitomi_tk at 2008-02-26 22:40
飲まされる日々・・
そちらがお強い、ということですね(笑)。
Commented by omuyan at 2008-02-27 04:02 x
そちらも どちらも でございます。
Commented by hitomi_tk at 2008-03-02 23:14
今度、RAGに来ていただけるようでしたら、ご紹介しますよ。
江崎女史に♪ご対面!
Commented by omuyan at 2008-03-03 23:52 x
それだけはご勘弁

こっそりとひっそりと気配を消しておきますので。

また別種の「し~ん」でしょうか?
どんな風なのか 想像逞しくして 今から楽しんでいます。
by hitomi_tk | 2008-02-11 19:05 | 日々のこと | Comments(7)

静かな日常と音楽と…


by jin